こんにちは、獣医師の上野です🍻
もうすぐ夏の到来ですね🏁自分も心機一転、気を引き締めて頑張りたいと思います⤴️
今回はリンパ腫の治療についてお話しします💬
治療方法は、大きく分けて外科的治療、内科的治療に分かれますので、今回は外科的治療について触れていきます🔪💊
外科的治療はいわゆる手術です、腫瘍形成部分の切除を行います🦴
リンパ腫に限らず、多くの腫瘍は今回のお話が当てはまりますので、腫瘍切除のお話といった方が適切かも知れませんが、お付き合いください💦
適用になるのはリンパ腫が腫瘤を形成し、限局しているものに限ります🏔
以前お話させていただいたようにリンパ球はリンパ管や血管を通って移動しているので、
リンパ腫から腫瘍化したリンパ球がそこを通って移動している可能性があります🏃♀️
これを脈管浸潤と言います☝️
イメージとしては腫瘍から根が生えている図をイメージしてもらえるとわかりやすいです🌾
なるべく健常な組織は残しておきたいところですが、切除する際は腫瘍から伸びる根を取り残すことがないように範囲は広く切除します✂︎
水平方向には腫瘍の縁からおおよそ1~3cm、深部方向には筋肉一層分余裕を持って切除します。これをサージカルマージンと言います💉
リンパ腫では消化器に発生したものを切除することが多い印象です🤔
その場合は、水平(横)方向に1~3cmサージカルマージンをしっかりとり、深部方向は粘膜~漿膜の全層を切除する形になります。
このように悪性腫瘍を取る際は大きく切除する、これが基本原則ですので、思っていたよりも傷口が大きくなったり、侵襲が大きくなることがあります😵手術後に飼い主様が見てびっくりすることもあるかも知れませんが、それだけ悪性腫瘍は怖いのです😨
しかし、それでも状況によっては腫瘍を取りきれないケースも出てきます⚠️
想定していたものよりも根が張っていたケース、
範囲が広すぎて組織の機能を大きく損ねてしまうケース、
周りの組織や大きな血管を巻き込んでしまっているケース、など様々です🏜
そういった場合、腫瘍を部分的、もしくは可能な限り切除することによって腫瘍の容積を縮小したり、切除できた部分を病理組織検査に出し、悪性度や性質を調べたりと内科的治療のアプローチに繋げていきます💪
また、切除対象の近くのリンパ節も可能であれば切除し、病理組織検査に出します🔍
これにより、腫瘍が転移しているかどうか判断することができます🐀
外科的に切除することはそれ自体治療にもなりますし、完全切除が難しくてもリンパ腫の評価や内科的治療にも繋げられる非常に有効な手段なのです👓
次回はリンパ腫の内科的治療に焦点を当ててお話ししたいと思います☺️
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。